蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 感想・評価
今回紹介するのは「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」です。
2009年より連載されている、Ark Performance(石川考一さんと光吉賢司さんの共同筆名)原作の作品で、アニメ版は2013年10月から放送されました。
目次
あらすじ
2039年、人類は温暖化に伴う急激な海面上昇により、地上での版図を大きく失った。
それに呼応するかのように、霧を纏う謎の軍艦群「霧の艦隊」が世界各地の海洋に出現、搭載した超兵器で人類の艦を攻撃し始めた。
人類は持ちうる戦力を投入し、最終決戦「大海戦」に臨むも、「霧」の圧倒的な武力の前に脆くも敗れ去った。
すべての海域、運搬経路を「霧の艦隊」によって封鎖され、政治経済は崩壊、人類は疲弊の一途をたどっていた―――――――
「大海戦」から7年。
士官候補生・千早群像の前に現れた「霧の艦隊」の潜水艦「イ401」。
敵であるはずの「イ401」、そのメンタルモデル「イオナ」との出会いは群像に、そして人類に何をもたらすのか?
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-の魅力
スルスル観られる脚本と演出
1クール12話の作品ですが、毎回の引きが良く、次へ次へと観ていけます。ストーリーもわかりやすく、戦闘シーンも細かく入れてきているので飽きること無く一気に観ることができます。
また、個性的な新キャラも続々と登場するので、その点でも楽しんで観られると思います。
ちなみに私はタカオが好きです。
小難しそうでわかりやすい話
専門用語もたくさん登場する上に、概念的な話も多く、難しそうにも思えますが、丁寧に優しく解説を入れてくれるので問題はありません。
3話のイオナの問に対する群像の返答が秀逸でした。
「死者を弔うことには意味があるの?」
「意味?...残された者たちが現実と折り合いをつけるため、かな。」
「ここはただの場所にすぎない。」
「その、ただの場所に意味を与えるのが人間なんだ。そうすることで、心の平安を得るんだよ。」
「無意味な行為...。」
「無意味、か。しかしその無意味な行為に意味を見出そうとするのが人間の進化ってやつなんじゃないかな。」
ややもすると宗教的な解釈が入り込みそうな問いに対して、人間の心理的側面での解釈をしているのが良いと思いました。
そして、「無意味さに意味を見出す」という非合理さが、人間と霧との違いを際立たせる文になっています。
注目すべきは、その非合理性を「進化」と捉えている点です。「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」では、兵器でしかない機械的な霧たちが人間と接触することで感情を見出し、変化していく話でもあるのですが、その変化を「異常・問題」とみるか「進化」とみるかが重要な分かれ目になっています。
額面通りに、機械的よりも感情があった方が良いとか、非合理的な方が人間らしくて良いという主張にもとれますが、個人的には「変化を恐れるな」という意味合いでの主張なのではないかと捉えています。
セルルックの草分け的な作品
セルルックとは、セル画(2D)のような表現をする3DCGのことです。詳しくはこちらをどうぞ。
制作開始年としては、「楽園追放 -Expelled from Paradise-」などの方が先とも言われていますが、実際に放送された順でみると「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」が先駆者的な存在となっています。先駆者でありながらも映像に全く違和感はなく、クオリティの高さを感じます。
基本的にはおすすめできますが...
映像もキャラもテンポも、全体的には面白い作品だと思いますが、結局のところ霧がどのような存在なのか、なぜ生まれたのかなどの根本的な謎は、この作品だけでは解明されないまま終わります。
その霧についての謎が放置されたまま表面的に特徴が付与されていき、個性が形成されるスピードも早いので、ある意味上っ面な感じがしてやや醒めてしまう箇所もなくはないです。
まとめ
一部気になるところはありますが、初期セルルック作品というだけでも観る価値はあると思います。
ストーリーもわかりやすく楽しいものなので、誰にでもおすすめできる作品となっています。
特に戦艦ものが好きな人にはおすすめしたいアニメ作品です。
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